ほとんどの日本企業がISO9001を取得していない時代に私がISO9001規格に精通できた理由

今でこそ大企業から中小企業に至るまで、会社の正面に「ISO9001 認証取得」といった看板がデカデカト掲げられていますが、私がISO9001に初めて関わった1990年当時は、日本企業にとってはまだまだ未知の規格だったと思います。

 

イギリス

 

今回は、私とISO9001との出会い?と、なぜその規格そのものに精通できることが出来たかというお話をさせて頂きます。

 

ベルギー工場立ち上げが最大の理由

詳しくは後述しますが、もし私がベルギー工場立ち上げのメンバーに選ばれず日本にいたままだったとしたら、ISO9001との関わり方は全く違っていたと思います。

 

ISO9001の成り立ちや、その規格の基となったある規格の発行国、及びベルギー人スタッフのおかげて言葉の壁を越えられたことが、私がISO9001に精通できることが出来た最大に理由だったと思います。

 

ISO9001の成り立ちも関係

まずは、ISO9001の成り立ちから説明したいと思います。

 

第二次世界大戦後、ヨーロッパに駐留していたNATO軍は、調達されてくる物品の品質問題に手を焼いていたそうです。

 

そのためNATO軍は、母国の規格管理団体に対し対策を打つよう依頼したそうなのですが、その結果としてISO9000シリーズ規格のオリジナルが生まれたと言われています。

 

その後、アメリカでは1979 年に品質システム規格 ANSI/ASQCZ1-15が制定、フランス、カナダ、イギリス等でも同等の国内規格が相次いで制定されました。

 

特に、イギリスの規格管理団体である BSI(英国規格協会)が 1979 年に発行した BS5750規格は、ISO9000シリーズ規格の誕生に大きく影響を与えたといわれています。

 

BS5750規格は、そのタイトルが「Quality systems」となっており、品質システムを規格化したものだったようです。

 

ISO9001の初版は1987年版でしたが、その当時は、ほぼ「BS5750=ISO9001」だったと思います。

 

その為、当初は規格書の表紙にはBS5750と書かれたものを使っていた記憶があります。

 

ISO9001の初版のものはPart1~Part3の3種類に分かれており、ベルギー工場の認可取得の際は、製造部門に該当するPart2が適用されたと記憶しています。

 

BSI(英国規格協会)と直接コンタクトする事で詳しい情報を入手

イギリスへはロンドンに営業所があったため時々訪れていましたが、BS5750規格の発行元である英国規格協会はイギリス北部に位置していたため、直接訪れる機会は残念ながらありませんでした。

 

当時、工場がほぼ稼働し始めてからの私は、ISO9001の日本語翻訳版など当然ありませんでしたので、英和辞典を片手に規格書と毎日のようににらめっこをしていました。

 

規格書を読み始めた当初は、その規格があらゆる業種・形態の会社にも適合させるためだと思うが、どの条文の文章も非常に抽象的な書き方で、どの条文が具体的にどんな意味で、自社のどの仕事に適用されるのかなど全く理解不能な状態でした。

 

しかし、そこはベルギーに住んでいる強みで、ベルギー人スタッフはみな英語がペラペラでイギリスの営業店のスタッフとは毎日のように電話連絡を取っていましたので、当然その事を利用せずにはいられませんでした!

 

早速、同じ部署で仕事をしていたマネージャーに、イギリス営業店のスタッフに連絡してもらい、そのスタッフから直接英国規格協会へ連絡を取り「BS5750規格の解釈について日本人からの質問があるので対応できる担当者を紹介してほしい」との交渉をしてもらいました。

 

その結果、英国規格協会の担当者がOKしてくれたとの連絡がほどなく入り、その後はベルギー人スタッフが、私の質問を直接「英国規格協会」へ電話で問い合わせるというありがたい流れが可能になったのです。

 

という訳で、ISO9001の認証審査を受ける直前までいろいろと質問していましたので、相手の担当者はちょっと嫌がっていたようですが、そのおかげで私自身、その当時の時点ではISO9001の要求内容については日本一詳しいのではないかと思えるほど、かなり理解出来ていたと思います。

 

その為、ベルギー工場の認証審査も一発合格、日本の本社や工場に先駆けて、グループ会社の中でISO9001認可取得の第一号となる事が出来ました。

 

日本へ帰国後も、本社やグループ会社でのISO9001認可取得の際に貢献出来たことは言うまでもありません。

 

また、その後個人的な理由で2回の転職を行った際も、この時の経験が多いに役立つ結果となったのです。

 

当時のISO9001との出会いが、これまでの私自身の第一の財産となったことに感謝したいと思います。

 

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